この記事を書いた人:現役トレーナー・S.T.R鍼灸院院長
スポーツ選手の怪我・リハビリ・コンディショニングを専門とする鍼灸師&トレーナー。サッカーをはじめ多くの競技のアスリートをサポート。

はじめに

「肉離れしたら安静にしなきゃいけない」

そう思っていませんか?

実はずっと安静にしているのが最大のNGです。現場で多くのサッカー選手の肉離れを診てきた経験から言うと、正しいタイミングで動かし始めることが、最短回復への近道です。

この記事では、サッカーに多い肉離れのパターンと、現場で実際に効果があった回復ステップを詳しく解説します。

サッカー選手に多い肉離れの部位

① ハムストリングス(膝裏に近い外側)

サッカーで最も多いのがこのタイプです。

受傷パターン:

  • ダッシュ時の蹴り出しで伸ばされる
  • ボールをキックした瞬間
  • 急なストップからの加速

特に外側ハムストリングス(大腿二頭筋)の膝裏に近い部分に起きやすく、完全に伸びきった状態で強い収縮が加わったときに損傷します。

② 近位ハムストリングス(お尻の付け根)

坐骨結節(お尻の骨の出っ張り)に近い部分の損傷です。

受傷パターン:

  • スライディングや開脚動作
  • 急なストップで股関節が大きく開く瞬間

このタイプは治りが遅いことが多く、再発もしやすいので注意が必要です。

回復までの正しいステップ

フェーズ1:急性期(受傷〜3日目)安静

受傷直後から3日目までは安静を優先します。この時期に無理をすると損傷が広がり、回復期間が大幅に伸びます。

やること:

  • PRICE処置(保護・安静・アイシング・圧迫・挙上)
  • 体重をかけない
  • 痛みのある動作は避ける

フェーズ2:回復期(4日目〜)ストレッチ開始

4日目からストレッチを開始します。

「まだ早いのでは?」と思うかもしれませんが、ここが重要なポイントです。

現場の経験上、早期からのストレッチが回復速度に大きく影響します。安静のままでいると筋肉が硬化して、回復がどんどん遅れます。

ストレッチの目安:

  • 痛みが出ない範囲でゆっくり行う
  • 反動をつけない
  • 1回20〜30秒、1日2〜3セット

フェーズ3:回復確認(約10日後)

以下の3つの痛みがなくなったら回復のサインです:

チェック項目内容
ストレッチ痛伸ばしたときに痛みがない
圧痛患部を押しても痛みがない
抵抗痛筋肉に力を入れたときに痛みがない

この3つがクリアになれば、ランニングやアジリティ練習への段階的な復帰が可能です。

やってはいけないNG行動

NG:ずっと安静にする

これが最もやってしまいがちなNG行動です。

「痛いから動かさない」という判断は気持ちとしては理解できます。でも現場で何度も見てきましたが、ずっと安静にしている選手は一向に良くならないケースが多いです。

理由は2つ:

  1. 筋肉が硬化して、柔軟性が失われる
  2. 損傷部位の瘢痕組織(硬いかさぶたのような組織)が形成され、動かしにくくなる

適切なタイミングで動かし始めることが、筋肉の正常な修復を促します。

NG:痛みを無視して全力プレー

安静のNG、一方で痛みを無視して動くのも逆効果です。急性期(3日以内)に無理をすると:

  • 損傷範囲が広がる
  • 回復期間が大幅に延びる
  • 最悪の場合、完全断裂になる

「試合があるから」というプレッシャーはわかりますが、ここでの無理が長期離脱につながります。

復帰の目安とチェックリスト

競技復帰の前に以下を確認してください:

  • ストレッチ痛がない
  • 圧痛がない
  • 抵抗痛がない
  • 健側(怪我していない側)と同じ可動域がある
  • ジョギングが痛みなくできる
  • 切り返し動作が痛みなくできる

すべてチェックできてから競技復帰が理想です。

それでも改善しない場合は

「正しくケアしているのに治りが遅い」「再発を繰り返す」という方は、筋肉の深部に問題が残っている可能性があります。

鍼灸治療では、深部の筋肉へ直接アプローチすることで回復を促すことができます。特に近位ハムストリングス(お尻の付け根)の損傷は、表面からのアプローチだけでは限界があることが多いです。

S.T.R鍼灸院(大阪・福島)では、スポーツ選手の肉離れ・早期復帰サポートに対応しています。
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まとめ

  • サッカーの肉離れは外ハム(膝裏側)と近位ハム(お尻付け根)が多い
  • 受傷後3日間は安静、4日目からストレッチ開始
  • 約10日でストレッチ痛・圧痛・抵抗痛がなくなるのが目安
  • ずっと安静にするのが最大のNG
  • 3つの痛みがなくなってから段階的に競技復帰