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現役トレーナー・S.T.R鍼灸院 院長

サッカーの現場でトレーナーとして活動する鍼灸師。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)。学生からプロまで、怪我・リハビリ・コンディショニングの現場対応を専門にしています。

「何を食べたらいいですか」と聞かれることが、よくあります。

答えはシンプルです。毎食、5つそろえる。それだけで、ほとんどの選手は足ります。

サプリの話も、グラム数の計算も、その後です。

結論:毎食、この5つをそろえる

国立スポーツ科学センター(JISS)が示している「アスリートの食事の基本形」がこれです。

そろえるもの役割
① 主食体を動かすエネルギー源ご飯・パン・パスタ
② 主菜筋肉・骨・血液をつくる肉・魚・卵・豆腐
③ 副菜体調を整える。骨や血液の材料野菜・きのこ・海藻
④ 牛乳・乳製品骨をつくるのに欠かせない牛乳・ヨーグルト・チーズ
⑤ 果物疲労回復・コンディショニングバナナ・みかん・キウイ

出典:国立スポーツ科学センター「アスリートの食事の基本」

JISSは、この5つを毎食そろえることで、必要なエネルギーと栄養素がとれるとしています。

難しい計算はいりません。並んでいるか、抜けているか。それだけを見ます。

足りていない選手は、だいたい同じところが抜けている

現場で食事の話を聞くと、抜けている場所には偏りがあります。

抜けやすいもの起きること
① 主食(ご飯の量が少ない)後半で動けなくなる。ガソリンが足りていない状態
⑤ 果物(そもそも食べる習慣がない)疲れが抜けにくい。ビタミンCが不足する
④ 牛乳・乳製品カルシウム不足。疲労骨折のリスクに関わる

意外に思われるかもしれませんが、「主菜(肉・魚)が足りない」選手は、実はそこまで多くありません。タンパク質は意識されやすいからです。

足りていないのは、ご飯と果物です。

「プロテインを飲んでいるので大丈夫です」という選手がいます。
でも、エネルギーが足りていないと、タンパク質は筋肉づくりではなくエネルギー源として使われます。 ご飯を食べずにプロテインを飲むのは、いちばんもったいない食べ方です。

体重×何グラム、という考え方

「5つそろえる」ができるようになったら、次は量の話です。ここで初めて数字が出てきます。

米国スポーツ医学会(ACSM)・米国栄養士会・カナダ栄養士会の合同声明では、次のように示されています。

栄養素1日あたりの目安(体重1kgあたり)体重60kgなら
タンパク質1.2〜2.0g72〜120g
炭水化物(練習量が多い時期)8〜12g480〜720g

出典:ACSM/米国栄養士会/カナダ栄養士会 合同声明「Nutrition and Athletic Performance」(2016)

炭水化物の数字を見てください。タンパク質の何倍もあります。

体重60kgの選手で、練習量が多い時期なら1日480〜720g。ご飯茶碗1杯(150g)に炭水化物は約55g入っているので、ご飯だけで換算すると1日9〜13杯ぶんになります。

もちろんパン・麺・いも・果物からもとれるので、全部をご飯で食べる必要はありません。ただ——「そんなに食べてない」と思った選手は、足りていません。

現役トレーナーの視点

グラム数を毎回計算する必要はありません。そんなことを続けられる選手はほとんどいません。
見るのは「ご飯の量が減っていないか」です。練習がきつい時期ほど食欲が落ちて、ご飯から減っていきます。いちばん減らしたらあかんものから減るのが厄介なところです。
量が食べられないなら、回数を増やす。それが次の記事で書く「補食」の話になります。

朝を抜くと、その日は取り返せない

ここが、いちばん現実的な問題です。

1日に必要な量が上のとおりだとすると、3食でも足りるかどうかです。そこから1食抜くと、残り2食で取り返すことになります。

物理的に無理です。1回に食べられる量には限界があります。

朝を抜いた日に起きること
・午前中のエネルギーが足りない(学校の授業中から始まっている)
・午後の練習に、すでに不足した状態で入る
・夜に食べても、その日の練習には間に合わない

食べる時間がないなら、おにぎり1つでも、バナナ1本でもかまいません。ゼロと1では全然違います。

「朝は食べられない」という選手は、前の日の夜が遅いか、多すぎるかのどちらかであることが多いです。朝を変えるより、夜を早めるほうが早い場合があります。

まず、ここから始めてください

いきなり全部やろうとすると続きません。順番があります。

順番やること
13食、抜かない(朝が最優先)
2毎食、5つそろっているか見る
3ご飯の量を減らさない
4足りない日は、補食で回数を増やす
5それでも足りないなら、サプリを検討する

5番が最後にあることに注目してください。サプリは、1〜4をやったうえで足りない分を補うものです。順番を逆にすると、お金がかかるわりに何も変わりません。

まとめ

  • 毎食①主食 ②主菜 ③副菜 ④牛乳乳製品 ⑤果物をそろえる。これでほぼ足りる
  • 足りていない選手は、ご飯と果物が抜けていることが多い
  • エネルギーが足りないと、タンパク質は筋肉ではなくエネルギーとして使われる
  • 目安はタンパク質 体重×1.2〜2.0g/炭水化物 体重×8〜12g(練習量が多い時期)
  • 炭水化物はタンパク質の何倍も必要。「そんなに食べてない」なら足りていない
  • 朝を抜いた日は、取り返せない。おにぎり1つでもゼロとは違う
  • サプリはいちばん最後

次の記事では「試合の前・当日・後に何を食べるか」を書きます。 練習しても伸びない選手のエネルギー不足については 貧血とエネルギー不足の記事、 回復の土台としての睡眠は 睡眠がすべての土台 にまとめています。 サプリを検討する段階の人は 競技者のサプリ選び を先に読んでください。

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食べているのに動けない、が続くなら

しっかり食べているつもりなのに疲れが抜けない、練習量に体がついてこない——そういうときは、食事以外に原因があることもあります。体の使い方、疲労の溜まり方、回復のとり方を、第三者の目で一度見てみませんか。S.T.R鍼灸院までお気軽にご相談ください。

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出典

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医師・管理栄養士による個別の指導に代わるものではありません。必要な量には体格・競技・練習量・成長段階による個人差があり、紹介した数値はあくまで目安です。持病がある方、食物アレルギーのある方、体重管理が必要な方は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。