試合の翌日。チームの予定は、たいてい完全オフか、軽めのリカバリーのどちらかだと思います。そこは指導者やフィジカルコーチが決めることです。
でも、その一日を自分がどう過ごすかは、あなたが決められます。そして同じ「オフ」でも、過ごし方によって次の練習に入るときのコンディションはかなり変わります。この記事では、試合翌日に自分でできることを整理します。
大前提:翌日は「休む日」であり「動かない日」ではない
いちばん多い勘違いが、これです。疲れているから一日ずっと横になって過ごす——気持ちは分かりますが、実はもったいない。
まったく動かないと血の巡りが悪いままで、張りや重さが抜けにくくなります。軽く動いたほうが、血流が促されて回復が進みます。逆に、休みだからといって自主練で追い込むのも違います。翌日は「強くする日」ではなく「戻す日」だと考えてください。
翌日のキーワードは「軽く動かして、血流を促す」。寝たきりでも、追い込みでもない。その中間が正解です。
① 軽く動く(ジョグくらいで十分)
現場でやらせているのは、シンプルです。軽いジョグくらい。それにストレッチを添えれば十分です。
ポイントは強度。息が上がらない、しゃべりながら走れるくらいが目安です。タイムを狙ったり、ダッシュを入れたりする必要はまったくありません。目的は鍛えることではなく、血を巡らせて、体を目覚めさせることだからです。
「走るのもきつい」という日は、散歩や自転車でもかまいません。止まらないことのほうが大事です。
② ケアは、翌日に受ける
ここは以前の記事でも書いた大事なところなので、あらためて。試合直後のケアは避けて、翌日に受けてください。
理由は、ハードに動いた直後の筋肉は炎症を起こしている状態だからです。そこを揉んだりほぐしたりすると、かえって回復を遅らせてしまいます。炎症が落ち着いてくる翌日こそ、ケアで整えるタイミングです。詳しくはケアを受けるベストなタイミングで解説しています。
自分でやるセルフケアも同じ考え方で、翌日にストレッチや軽いほぐしを入れるのが良いタイミングです。
③ お風呂は、入ったほうがいい
翌日の入浴について、僕は細かい制限はつけていません。ただ、こう伝えています。入らないよりは、多少でも湯船に入って血流を良くしたほうがいい。
シャワーだけで済ませるより、湯船に浸かって体を温めたほうが血の巡りが促されます。ただし、寝る直前の入浴は避けましょう。眠りにつきやすいのは、寝る1時間半ほど前に入るタイミングです。
サウナは、あまりおすすめしません
一方で、サウナは積極的にはすすめていません。血流が良くなるイメージがあるので意外に思うかもしれませんが、理由があります。
- 大量に汗をかいて、水分がさらに失われる(試合翌日はもともと水分が不足しがち)
- 心拍が上がり、体に負荷がかかる。回復させたい日に、余計な負担を足すことになる
「良さそうに見えるもの」が、状況によっては逆効果になる。ここは試合直後のマッサージと同じ考え方です。翌日に必要なのは"刺激"ではなく"巡らせること"。それなら普通のお風呂で十分です。
④ 睡眠・食事・水分は、翌日も続ける
意外と抜けやすいのが、ここです。試合当日はしっかり食べて寝るのに、翌日はふだんに戻ってしまう選手が多い。でも回復は翌日も続いています。
| 項目 | 翌日に意識すること |
|---|---|
| 睡眠 | 最低7時間、できれば8時間。回復のいちばんの土台 |
| 食事 | いつもどおりしっかり。とくに糖質を切らさない(エネルギーの回復に必要) |
| 水分 | 試合で失った分は翌日も戻しきれていないことがある。こまめに補給 |
※ 詳しい中身は睡眠・栄養・水分・回復の4本柱で解説しています。
翌日にやりがちな失敗
| やりがちなこと | なぜよくないか |
|---|---|
| 一日ずっと寝て過ごす | 血流が滞り、張りや重さが抜けにくい |
| オフだからと自主練で追い込む | 回復の日に負荷を足すことになり、疲労が積み上がる |
| サウナで整えようとする | 脱水と心拍の負荷で、回復の邪魔になりうる |
| 試合直後にマッサージを受ける | 炎症を広げ、回復が遅れる(受けるなら翌日) |
| 食事と睡眠をふだんに戻す | 回復は翌日も続いている。ここで手を抜くと残る |
現役トレーナーの視点翌日の練習をどうするかは、指導者やフィジカルコーチが決めることです。でも「自分のその一日をどう使うか」は、選手自身が決められます。やることは難しくありません。軽く動いて、風呂に入って、ケアを受けて、しっかり食べて寝る。これだけで、次の練習に入るときの体はまるで違います。派手なことをする必要はないんです。
!翌日にこれがあるときは、無理をしない
- 特定の場所にはっきりした痛みがある(張りや筋肉痛とは別の痛み)
- 腫れがある、押すと強く痛む
- だるさや重さが3〜4日以上続いている(頑張りすぎのサインかもしれません)
これらは「疲労」ではなく、怪我や、回復が追いついていないサインの可能性があります。軽く動かすより、まず状態を見てもらってください。痛みが強い場合は自己判断せず、医療機関に相談を。
まとめ
- 翌日は「休む日」だが「動かない日」ではない。軽く動かして血流を促す
- 軽いジョグくらいで十分。しゃべりながら走れる強度が目安
- ケアは翌日に受ける(試合直後は炎症を広げるため避ける)
- お風呂は入ったほうがいい。ただし寝る直前は避ける
- サウナは積極的にはすすめない(脱水と心拍の負荷で逆効果になりうる)
- 睡眠・食事・水分は翌日も続ける。回復は翌日も進んでいる
- はっきりした痛みや腫れ、長引くだるさがあるときは、動かす前に相談する
次回:ここまでやっているのに、それでも疲れが抜けない——そんなときに見落とされがちな原因があります。練習量ではなく、エネルギーや栄養の不足が隠れているケースについて解説します。
Consultation
翌日の張りを、翌日のうちに
試合の翌日は、ケアを受けるのにいちばん適したタイミングです。張りが残ったまま次の練習に入ると、それが次の怪我につながることもあります。S.T.R鍼灸院では、試合後のコンディション立て直しをサポートしています。お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらS.T.R鍼灸院(大阪・福島区)
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、症状によって適切な対応は異なります。強い痛みや腫れがある場合は、自己判断せず専門家にご相談ください。